2016/04/30 ニコニコ超会議 企業と個人の役割
ニコニコ超会議に行ってきた。ニコニコ超会議はこれが初めてで、空気感含めて楽しみだった。
入口入ってすぐからは企業のブースが多い印象。NTTの展示はすごく面白い。いい意味で大企業じゃないことをしている。
多分内容についてはもっと上手い方が書いているから置いておいて、今回全体を通してUGCを柱とするプラットフォーマーのイベントで見えてきた企業と個人の役割分担の重要性を少し書こうと思う。
ものづくりではあまりプラットフォーマーという形は見ない。今ぱっと国内で思いつくものは以下のものぐらいか
インターネットサービスではプラットフォーマーの立ち位置のものが無数にある。Airbnbもプラットフォーマーだし、Uberもそう。youtubeもそうで、niconico動画もプラットフォーマーに分類される。特にniconico動画はCGM、UGC – User-generated contentによって成り立っているサービスになる。
こういった形で運営されるサービスはユーザーの生成されるコンテンツと公式のコンテンツではどうしても公式コンテンツのクオリティーが高くなり、結果としてユーザーのコミュニティーを潰してしまうということがしばしば起こる。niconico動画の場合はこの動画がすごくわかりやすいと思う。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm26826119
Cerevoの岩佐さんも
ただ今回のイベントでは個人の得意(多様なコンテンツの生成)と企業の得意分野(大規模な投資と管理)がすごくうまく調和していたように感じた。個人のコンテンツにステージを用意する。それだけでは集客できない可能性があるのでプロと組むイベントを用意していく。良いステージにするためにきちんと協賛企業を引きあわせてくる。カテゴリー分けをきちんとしてそれぞれのカテゴリーが独立して発表できる場を用意する。
結果として、個人のコンテンツが個人では到底出来ない規模で発表されているのはすごく面白いし、年一回こういった大規模なイベントが用意されることで入口の写真にも合ったニコニコ文化をきちんと形成できているように感じた。
こういったインターネットのものをものづくりにそのまま持ち込むのは結構危険だけれども、それでもこの個人の生み出す多様性と企業体だからこそなしうるスケール感のマッチはもっと行われていくべきだと強く思った。
今までは個人では試作すら出来なかった。それがデジタルファブ、デジタルファブリケーション機器によって施策を行うことができる様になり、様々な素材も扱うことが出来る。オープンソースの発展とインターネットの普及によって世界中の情報からArduinoなどを駆使して機能などもある程度作りこむことが出来る。
それでも量産は難しい。PL責任を個人で追うのは難しい。信頼性試験をきちんと行うのは難しい。技適などを取るのは難しい。販売店との交渉と出荷作業を行うのは難しい。最近ではヘルスケア分野が盛り上がっているが、認証を取ったり裏付けデータを用意するのは難しい。
そういった状況の中でせっかく出てきた今までにないアイデアや新しいものの方向性を企業や大学組織はうまく取り込んで新しい物を生み出していく姿勢がより早く未来を今にするためには必要だと思う。そういった流れを作るため、実験的な取り組みを始めたところだ。必ずしもベンチャーで資金を調達して自前でやるというだけではなく、アイデアをプロダクトにする仕組みも多様性が必要だと思っているので、なるべく早く結果を出すようにする。